新しいパソコンを購入する時、まずCPU選びで悩みますね。
CPUは「パソコンの頭脳」と言われる処理速度を決定づける重要なパーツで、しかも後から交換するのは極めて難しい(ノートパソコンの場合はほぼ不可能)パーツなんです。
なので

動きが遅くなったら、あとでもっと性能の良いCPUに交換しよう!
なんてことはできないんです。
それでパソコンを新しく導入するにあたって、CPUの型番(表記)の見方をしっかり理解して、自分の用途にあったCPUの選び方を知っておくことは必須です。
この記事では、初心者の方に向けて、Intel(インテル)とAMD(エーエムディー)それぞれの表記ルールを解説していきます。
そもそも「Intel」と「Ryzen(ライゼン)」のCPU、どっちを選べばいいのか分からないという方は、下記の記事をご参照ください。
Intel(インテル)CPU の表記の見方

CPUメーカーにはIntel製とAMD製の二大巨頭がありますが、まず世界シェアNo.1のインテル製CPUから見ていきましょう。
例として「インテル® Core™ i5-13420H」を分解して解説します。

| 項目 | 表記例 | 説明 |
| ブランド名 | インテル® Core™ | 製品のシリーズ名。主流はCore i(コア・アイ)シリーズ |
| ランク | i5 | CPUのランク(格付け)。数字が大きいほど高性能。 |
| 世代 | 13 | ハイフンの直後の数字。この場合は「第13世代」を指す。 |
| 同世代・性能内 のランク | 420 | 同世代・同ランク内での性能。数字が大きいほど高性能。 |
| サフィックス | H | 用途や特徴を表す末尾のアルファベット。 |
もう少し深堀りして解説しますね。
ブランドのランク( i3 / i5 / i7 / i9 )
インテルCoreシリーズには「i3」から「i9」まで、4つのランクがあります。
数字が大きいほど高性能になります。
| ランク | 用途 |
| i9 (フラッグシップ) | プロレベルのクリエイティブ作業や超高画質ゲーム体験向け。 |
| i7 (ハイエンド) | 本格的な動画編集や最新の3Dゲームなど、負荷の高い作業向け。 |
| i5 (スタンダード) | 仕事、動画視聴、軽い画像編集、複数のアプリを同時に使うなど、万能にこなせる一番コスパが良いモデル。 |
| i3 (エントリー) | インターネット閲覧や文書作成など、軽い作業向け。 |
世代
ハイフンの直後の数字(12xxx, 13xxx, 14xxxなど)が世代を表しています。ここが「12」なら第12世代、「13」なら第13世代ということになります。
数字が4ケタの場合、例えば Core i7 – 8700という場合は、第8世代(数年前のモデル)ということになります。
世代の数字が大きいほど性能は高いということになるので、Core i7でも「第8世代」のように世代が古いと性能は低いということに注意です。
特に中古のパソコンを購入する時は、CPUの「世代」を確認することが必要です。
性能ランク
同世代・同ランク内での性能を表しています。
数字が大きいほど高性能です。
例えば、Core i5-13420H と Core i5-13500Hだと13500Hのほうが性能が優れています。

どうせ、ちょっとしか違わないでしょ?
同じi5で「4XX」と「5XX」だと少しくらいの違いで「あまり気にしなくていいかな」と思えますが、実は「脳の数(コア数)」そのものが違っていて、かなり性能の差があるんです。
| 項目 | i5-13420H | i5-13520H |
| コア数 | 8コア | 12コア |
| スレッド数 | 12スレッド | 16スレッド |
| グラフィック | 標準 | 高性能 |
◉ 下3桁「400」台(例: 13420H) ➡ i5の中でも「コストパフォーマンス重視」の入門モデル。
◉ 下3桁「500」台(例: 13500H) ➡ コア数・スレッド数が一気に増え、動画編集やマルチタスクも快適にこなせる「真のi5」と言えるモデル。
このように最近のIntel は、「i5」の部分よりも、「世代」とその後の「下3桁」の数字で性能を区切っていて、注意して見ておく必要があります。
もし予算が許すのであれば、下3桁が「500」以上のものを選ぶことで、パソコンの寿命(快適に使える期間)が延びます。
サフィックス
型番の最後についている「H」や「U」といったアルファベットは「サフィックス」と呼ばれ、そのCPUが「パワー重視」か「省電力重視」かを教えてくれます。
サフィックス(Suffix)とは
「接尾辞」という意味で、製品の主な用途や特性を識別するための記号です。
| サフィックス | 意味・特徴 | 主な用途 |
| V | LPDDR5xメモリをパッケージ内に統合した超省電力・高効率モデル(Lunar Lake世代)。 | 超薄型モバイルノート、Copilot+ PC |
| H | High performance(高性能)。ノートPC向けだが高い処理能力を持つ。 | 一般的なノートPC、クリエイティブノート |
| HX | High performance eXtreme。ノートPC向けでデスクトップ級の性能を持つ。 | ゲーミングノート、ハイエンドモバイルワークステーション |
| U | Ultra-low power(超低消費電力)。バッテリー持ちを重視。 | 薄型軽量ノート、モバイルPC |
| K | Unlocked。オーバークロックが可能。 | デスクトップPC |
| F | Graphicsless。内蔵グラフィックスが非搭載(別途ビデオカードが必要)。 | デスクトップPC |
| KF | オーバークロック可能、かつ内蔵グラフィックスなし。 | デスクトップPC |
| T | Power-optimized lifestyle。省電力デスクトップ向け(消費電力が低い)。 | 省電力デスクトップPC |
| P | ノートPC向けで、HとUの中間に位置するパフォーマンス重視モデル。 | 薄型高性能ノートPC |
| G | グラフィックス性能を強化したモデル(過去のAMD GPU搭載モデルなど)。 | ノートPC |
| Y | 極めて消費電力が低いモデル。 | タブレット、ファンレスPC |
最新のCore Ultraシリーズ
Intelは第14世代以降はブランド名を刷新して、AI処理に特化したモデルを「Core Ultra(コア ウルトラ)」として展開しています。
| 要素 | 表記 | 意味 |
| ブランド | Core Ultra 5, 7, 9 | 数字が大きいほど高性能。 |
| シリーズ | 最初の数字 (例: 155Hならシリーズ1、226Vならシリーズ2) | 従来の「世代」に代わる表記。 |
| 性能指数 | 2番目以降の数字 (例: 55, 26) | 数字が大きいほど高性能。 |
| サフィックス | H, U, Vなど | 用途や消費電力の特性を示します。特にVは、LPDDR5xメモリをパッケージ内に統合した超省電力モデル(Lunar Lake世代)を示します。 |
AMD Ryzen(ライゼン)の表記の見方

次に、AMDの「Ryzen」シリーズです。例として「AMD Ryzen™ 5 8645HS」を解説します。

Ryzenのモバイル向けCPU(ノートPC用)は、2023年から新しい命名ルールになっていて、ちょっと複雑で分かりにくくなっていますね。
| 表記例 | 意味 | 詳細 | |
| ブランド | Ryzen 5 | ランク | インテルの「i5」に相当するミドルクラス。 |
| 1桁目 | 8 | 発売年 | 7=2023年 8=2024年 9=2025年 |
| 2桁目 | 6 | セグメント | 市場での立ち位置。1〜9まで存在します。 |
| 3桁目 | 4 | 設計の世代 | 内部の設計(アーキテクチャ)。1〜5以上が存在。 |
| 4桁目 | 5 | 性能の差別化 | 同じ設計内での上位(5)か下位(0)か。 |
| 末尾 | HS | サフィックス | 用途や消費電力を表すアルファベット。 |
1桁目はあくまで「発売年」
1桁目は発売年を表しています。
「7」が2023年
「8」が2024年
「9」が2025年
2026年ですが、ルール通りだと「10」で型番が5桁(例:Ryzen 5 10645HS)になりそうですが、実際は「Ryzen AI 400シリーズ」といった名称で正式に発表されています。
2桁目:セグメント
2桁目の数字は、そのCPUが市場でどのランクに位置するかを1〜9の数字で示します。
| 数字 | セグメント | 主な対応ブランド |
| 9 | 最高峰 | Ryzen 9 |
| 7,8 | ハイエンド(高) | Ryzen 7 / 9 |
| 5,6 | ミドルレンジ(中) | Ryzen 5 |
| 3,4 | エントリー(初) | Ryzen 3 |
| 1,2 | ローエンド(低) | Athlon |
同じRyzen 5でも、2桁目が「6」の方が「5」よりも高性能なモデルとして位置付けられています。
3桁目:アーキテクチャ(設計の世代)
Ryzenの性能を知るために一番重要なのが3桁目の数字で、「世代」を表しています。
「1」から「5」まであります。
◉ 5 ➡ 最新の設計(Zen 5)。2025年の主力の最高設計です。
◉ 3 , 4 ➡ 熟成された設計(Zen 3 / Zen 4)
◉ 1 , 2 ➡ 古い設計(Zen 1 / Zen 2)。低価格モデルに多い。
安価なパソコンだと、1桁目が「8(2024年発売)」でも、3桁目が「2(Zen 2設計)」という古い設計を流用したモデルも存在するので、注意が必要です。
4桁目:性能の差別化
4桁目の数字は基本的に「0」または「5」のどちらかしか使われていません。
◉ 「5」➡ そのグループの中での「上位モデル(Premium)」
◉ 「0」➡ そのグループの中での「標準モデル(Base)」
末尾:「サフィックス」
型番の最後についているアルファベットの「サフィックス」については下記の表を参考にしてください。
| サフィックス | 意味・特徴 | 主な用途 |
| H | High performance(高性能)。ノートPC向けだが高い処理能力を持つ。 | 一般的なノートPC、クリエイティブノート |
| HX | High performance eXtreme。ノートPC向けでデスクトップ級の性能を持つ。 | ゲーミングノート、ハイエンドモバイルワークステーション |
| U | Ultra-low power(超低消費電力)。バッテリー持ちを重視。 | 薄型軽量ノート、モバイルPC |
| G | グラフィックス性能を強化したモデル(過去のAMD GPU搭載モデルなど)。 | ノートPC |
| Y | 極めて消費電力が低いモデル。 | タブレット、ファンレスPC |
| HS | 「高性能 & 薄型」モデル | Hシリーズ並みのパワーを持ちつつ、薄型ノートPC向けに電力効率が最適化されている。 |
| G | 強力なグラフィックス機能を内蔵しているモデル。 | デスクトップ用 |
| X | 標準モデルよりさらに動作周波数を高めた高性能版。 | 高性能デスクトップ・ゲーミングPC用 |
| X3D | ゲーム特化(3D V-Cache搭載) | 本格的なゲーミングPC。特殊なメモリ技術を搭載し、ゲーム性能が劇的に高いモデル。 |
| C | GoogleのOS「Chrome OS」を搭載したノートパソコン専用モデル。Windowsパソコンには搭載されない。 | Chromebookのみ |
その他:企業向け省電力モデルとして『e』などもあります
まとめ:CPU選びで失敗しないためのポイント

CPUの表記の見方についてまとめてみました。
パソコンを購入する時に、この記事のようにCPUの表記をしっかり確認しておけば、「自分の用途にぴったり」 & 「長く使えるパソコン」が選べるようになります。
ブランド階級を確認する: 一般的な利用なら「Core i5」や「Ryzen 5」を選べば間違いありません。
世代を確認する: インテルならハイフン直後の数字、Ryzenなら3桁目の数字をチェック。古すぎる世代ではないかをしっかり見ておきましょう。
サフィックスで用途を合わせる: 外に持ち出すなら「U」、家でじっくり作業やゲームをするなら「H / HS」がおすすめです。
CPUの型番の見方を参考に、次のパソコン選びで実践してみましょう。

