仕事のデータ、思い出の写真・動画などの膨大な情報を保存している場所がHDD(ハードディスクドライブ)です。
HDDはやはり消耗品で、使っていくうちに劣化していつかは寿命が来ます。
寿命が来てしまうのは仕方がないのですが、突然故障してデータが取り出せなくなるのはとても困ります。
大切なデータを守るためにHDDの状態を定期的にチェックする必要があります。
CrystalDiskInfo (クリスタルディスクインフォ)は、そんなHDDの健康状態を分かりやすく視覚化してくれる無料ソフトです。
CrystalDiskInfoでできること
HDDには(SSDにも)もともと自己診断する機能が搭載されていて、その診断情報が「S.M.A.R.T.(スマート)情報」と呼ばれています。
S.M.A.R.T.とは、Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology の頭文字を取ったもので、訳せば自己監視・分析・報告技術ということです。
この情報をWindowsパソコン上で分かりやすく見れるようにしているのが、CrystalDiskInfoです。
ではCrystalDiskInfoをインストールして活用しましょう。
CrystalDiskInfoのインストール方法
CrystalDiskInfoのダウンロードページにアクセスします。
キャラクターデザイン入りのエディションもありますが、今回は「通常版」で進めていきます。
インストーラー(Vista-)をクリックします。
(Windows10を使っている場合もインストーラー(Vista-)でOKです)
デスクトップなど任意の場所にダウンロードしたら、インストーラのアイコンをダブルクリックして進めます。
使用許諾契約書の同意で「同意する」にチェック、次へで進めます。
インストール先の指定で、そのまま次へで進めます。
「スタートメニューフォルダーの指定」も次へ
「追加タスクの選択」は次へ
インストール準備完了でインストールをクリックします。
CrystalDiskInfoのインストールが始まります。完了してから起動させましょう。
CrystalDiskInfoの見方
最初に確認すべきは、健康状態です。
健康状態を確認
「正常」「注意」「異常」の3段階で表示してくれます。
(「正常」であれば絶対に大丈夫だと過信はできませんが、一応の目安にはなります)
ちなみにこのパソコンは2012年購入で使用してからちょうど10年たちます。
下は別のパソコンですが、新品で使い始めてから6年経過したパソコンで「注意」と表示されるようになりました。(SSDに入れ替えようかと検討しながらまだ実行できていません…)
10進数表示に変更する方法
デフォルトで表示されている数値は16進数になっています。10進数のほうが見やすいという場合は変更できます。
「機能」⇒「上級者向け機能」⇒「生の値」⇒10[DEC]で表示が10進数に変わります。
現在値|最悪値|しきい値|生の値とは?
現在値… 生の値をもとに計算される現在の値です。算出方法や最高値はメーカーによって違います。この数値は変動します。数値が高いほど良い状態で、減少するほど不具合が発生する可能性があると言えます。現在値がしきい値を下回る場合はかなり要注意です。
最悪値…過去に計測した最も悪かった数値。最悪値もしきい値を下回ると不具合が発生する可能性が高いと言えます。
しきい値(閾値)…HDDメーカーが定めているボーダーライン、限界値。
生の値…実際に発生したエラーの回数、実際の温度などの数値です。
「正常」と「注意」の違いは?
健康状態が正常か注意かの違いは、特に不良セクタがあるかどうかです。
(下の「注意」となっているパソコンは「代替処理済のセクタ数」が「2952」となっています)
セクタとは、ハードディスクの最小の区画です。円を区切ると扇形になるのでセクタと呼ばれています。
不良セクタとは、正常に読み書きができなくなったセクタのことです。
この4つの項目は特にポイントと言える部分で、少しでも異常が見られればデータのバックアップを取って置くべきと言えるでしょう。
05 代替処理済のセクタ数
HDDには予備領域が備えられていて、不良セクタが発生するとその領域を使用せずに代替領域を使うよう処理がされて正常にデータの読み書きができるようになっています。そのためすぐにストレージが使用できなくなることはないのですが、不良セクタが増えてくると使用できる部分が減少していきますし、処理に時間がかかるようになります。当然代替セクタ領域にも限界があります。代替処理された不良セクタは2度と使われることはありません。
C4 セクタ代替処理発生回数
これはセクタの代替処理を実行した回数です。
C5 代替処理保留中のセクタ数
代替処理は次のアクセスがあるまで一旦保留されています。その後読み出しに成功すると代替領域にデータをコピーします。読み出せないデータのセクタが存在するという時点で危険な状態と言えます。
C6 回復不可能セクタ数
データの保存や読み込みができない回復不能なセクタの数です。この項目の生の値が増加しているようであればHDD故障の可能性が高く、早めにバックアップを取ったほうが良いでしょう。
活用例
内蔵HDDだけではなくて外付けハードディスクドライブを利用していたりなど、複数のドライブがある場合にもそれぞれの健康状態を一つの画面で管理できます。
中古のHDDドライブを買い取る、または譲渡するときも健康状態を確かめておくことは必須でしょう。
● 古いパソコンのHDD/SSDを取り外して外付けドライブとして再利用する方法
最後に
SMART情報はHDDの健康状態を視覚化してくれて目安になります。先述した通りこの情報だけに頼らないようにする必要があります。前兆がないまま故障することは十分ありえるからです。
大切なデータは日ごろからバックアップを取るようにして、万が一突然HDDが故障してもデータを復旧できるように備えていきましょう。